いのサンデー ~ 消えた六角棒スパナ の巻~

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┃◆┃ いのサンデー ~ 消えた六角棒スパナ の巻~
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  みなさん、こんにちは、いの です。

  先週末、どうにかこうにか無事引越しました。
  新居の部屋にはまだダンボールがそこかしこに積まれてはいますが、なんとか
  暮らしております。このダンボールというやつがクセモノでして、畳んでも
  畳んでも場所を取ったりするんですよね。あと今回の引越しで痛感しましたが
  私はものを縛るのが致命的に下手だということです。読み終えた雑誌や新聞を
  縛ってみれば、持ち上げた途端に崩れ去り、靴ひもを縛ればいくらも歩かない
  うちにはらはらとほどける始末。昨日も重ねたダンボールをビニール紐で
  まとめるという作業に挑戦していたんですが、ソファやテレビ台といった家具が
  入っていた大きなダンボールを相手に、汗ばむほどの大格闘を繰り広げて
  しまいました。早く来い来い、資源ゴミ回収日。

  さて、引越しにあたって新たに購入したもののひとつに、キッチンワゴンが
  あります。冷蔵庫の脇あたりに居場所を構え、炊飯器や電気ケトルなんかを
  置いておくアレです。今回は経費削減のために、完成品ではなく組み立て式の
  キッチンワゴンを購入してみました。
  これまでロクにドライバーも握ったことのない私がワゴンを組み立てること
  なんてできるのだろうか。そんな不安を押し隠し、届いた荷物を開けてみると
  大小さまざまなサイズのネジ、そしてそれらを固定するための六角棒スパナ、
  その他材料が次から次へと出てきました。
  ありがたいことに、大変わかりやすい図解式組み立て説明書が付いていたので
  初心者の私でも順調に作り進めることができ、「なーんだ簡単じゃん!」と
  油断していたときに事件は置きました。

  ワゴンの脚にネジを固定するために、六角棒スパナをぐりぐりと回していた
  そのとき、勢いよく回しすぎたせいかスパナが手元からスポーンと抜けて、
  飛んでいってしまったのです。あわてて行方を追ったものの、周囲の床の上
  には見当たらず、ラグやベットカバーをめくっても出てきません。
  ネジをもう2~3本留めればついに完成、というところまで来ていたにも関わらず
  スパナの戦線離脱によって作業を中断せざるを得なくなってしまったのです。
  別の家具を組み立てるときに使ったスパナがいくつかあるにはあったのですが、
  どれもこれもサイズが合わず。そもそも今回調べるまでは「六角棒スパナ」
  というこの工具の名前すら知らなかった私は、しばし打ちひしがれました。

  しかし、落ち込んでいてもキッチンワゴンは完成しません。そして、このまま
  脚のぐらつくワゴンを使うわけにもいきません。私はこれから留めるべき
  ネジをぐっと握りしめ、ホームセンターへ駆けてゆきました。

  「このネジを留めることができる六角棒スパナをください!」

  必死の面持ちでネジを差し出した私に、店員さんは心得たようにうなずきます。

  「ただいま担当の者をお呼びしますので、少々お待ちください」

  やがてやってきたスパナのプロフェッショナルは、mm単位で何種類もある
  六角棒スパナの陳列棚からすっと1つを取り出すと、ネジとスパナのサイズを
  測り、それらがきっちりと合わさることを確認して私に手渡してくれたのです。

  「どうぞ、こちらでちょうどぴったりのサイズです」

  その瞬間、思わずプロフェッショナルに後光が差して見えました。

  そんなこんなで、紆余曲折を経た後に、わが家のキッチンワゴンは無事完成。
  すっかり味をしめた私は、次は何を組み立ててやろうかと、スパナ片手に
  あれこれたくらんでいる毎日です。

  ちなみに、消えたスパナはその夜、枕の下から発見されました。
  どうやってあの一瞬で枕の下にまでもぐりこめたのやら。やんちゃなスパナでは
  ありますが、いつかの出番に備えて大事にとっておこうと思います。

 それでは、また来週。