いのサンデー ~ 「卯の花腐し」の季節を過ぎて の巻~

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┃◆┃ いのサンデー ~ 「卯の花腐し」の季節を過ぎて の巻~
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こんにちは、いの です。
「卯の花腐し(うのはなくたし)」という言葉をご存知でしょうか。
卯の花が咲くのは旧暦の四月。つまりいまの五月ごろに、卯の花を腐らせるほど長く降り続ける長雨のことを、こう呼ぶそうです。
本を読んでいて、はじめてこの言葉を知ったときは、卯の花といえばおからの別称、それが腐ったということは発酵食品かしら?なんて思ったものでした。うのはなくたし、という不思議な語感が印象に残り、正しい意味を知ってからは好きな言葉のひとつとして自分のなかに記憶されています。
このほかにも、「狐の嫁入り」や「猫毛雨(ねこんけあめ)」「天泣(てんきゅう)」など、強さや降り方、季節によって雨は様々な名前を持っています。なかでも、もっともなじみのある雨の名前といえば、「梅雨」ですが、この「梅雨」とよく似た長雨も、時期が変われば「菜種梅雨」「すすき梅雨」「さざんか梅雨」というように、ちがう名前で呼ばれるのです。
たかが雨、されど雨。日本語ではなんと400種類以上もあるといわれている雨の名前を見ているだけでも、自然と寄り添いながら生きていた人々の表現力の豊かさに驚かされます。
また、雨といえば思いだすのは、毎年春に雨が降るたびに母がつぶやくこの言葉。
「春雨じゃ、濡れて行こう」
子どものころは、いったい何を言ってるんだろう?と聞くたびにポカンとしていましたが、後にこれは大正から昭和にかけて活躍した行友李風(ゆきともりふう)が書いた人気戯曲『月形半平太』に出てくる有名なセリフということを知りました。わが母ながらずいぶん気取ったことを言っていたものです。そのせいで、いまだに春雨に出くわすと傘をさしちゃいけないような気分になります。刷り込みというのは恐ろしいものです。
ゆううつになりがちな雨の日が多い季節ではありますが、降る雨を見ながら「今日の雨はどんな名前で呼ばれているんだろう?」なんて考えてみると、雨の日も案外楽しく乗り切れるかもしれませんね。
それでは、また来週。

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