いのサンデー ~ 高校の図書室で出会った1冊の詩集について の巻~

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┃◆┃ いのサンデー ~ 高校の図書室で出会った1冊の詩集について の巻~
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こんにちは、いの です。
締め切り直前になってもコラムのネタが浮かばず、どうしたもんかと頭を抱えていたところ、同僚から「じゃあポエム(詩)でも書けば?」と提案されました。
そんなわけで今回は春の訪れをテーマにした私のポエムをお届け・・・する代わりに「私とポエム」というテーマでお届けします。
ポエムというと、思春期の甘酸っぱい、そしてどちらかといえば恥ずかしい思い出と直結しているのはなぜでしょうか。少なくとも私の場合、“ポエム”という単語を聞くと、中学生のころ、好きな詩をノートに書き写して悦に入っていたものです。思えば、あのころがこれまでの人生のなかで、一番詩を読んだ時期でした。早熟だったのか、単に長文を読み通す集中力が欠けていたのか・・・。修学旅行で福岡県柳川市を訪れた際、「待ちぼうけ」や「からたちの花」で有名な詩人・北原白秋(きたはらはくしゅう)の記念館に足を運び、そこでしか手に入らない限定版の詩集を発見して小躍りしたのを覚えています(ついでに、そのときの昼食がひつまぶしだったことも覚えています)。
そんな私がずっと大切にしている1冊の詩集があります。その詩集との出会いは放課後の高校の図書室。ほとんど借り手がいないような、色褪せた背表紙が並ぶ一角をなんとはなしに眺めていたところ、目についた1冊でした。タイトルは『オンディーヌ』。作者は昭和後期に活躍した女流詩人・吉原幸子(よしはらさちこ)。それまでまったく名前を知らなかった彼女の詩が描く世界は、受験生だった当時の私の不安定さとどこか似ていて、気が付くと何度も繰り返して読んでしまうのです。図書室の貸し出しカードには、定期的にこの詩集のタイトルが記され、結局卒業するまでに私はこの本を10回近く借りていました。
そこまで執着した本ならいっそ買って手元に置いてしまえばよかったんでしょうが、確か当時すでに絶版になっていて、なおかつ、いまのようにインターネットが普及しているわけでもなかったので、そのままなんとなく遠ざかってしまったんです。
そしてそれから数年、大学のドイツ語のクラスで教授と雑談していた際にこの詩集の話をしたことがありました。すると数ヶ月後、古本屋めぐりが趣味という教授が神田の古書店街で見付けてきてくれたのです!しかも作者のサイン入りという貴重な1冊を!高校の図書室にあったのと同じように、経年劣化で色褪せてしまった表紙を見た瞬間、当時のあれこれがよみがえって、なんともいえない気持ちになりました。巡り巡って私の手元にやってきたこの1冊は、いまもちゃんと本棚の一角におさまっています。
読んだから人生が変わった!なんて大袈裟なものではありませんが、折に触れて読み返したくなる大切な本です。
それでは、また来週!

いのサンデー ~ 高校の図書室で出会った1冊の詩集について の巻~」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    こんにちは、いのさん。
    本当に縁のある人とはどんなことがあっても、たとえ途中で連絡が途絶えた時期があったとしても、その縁は続くものと聞いたことがありますが、「本」に関してもそんなことがあるんですね。
    たとえ読む回数が減ったとしても全く読まなくなったとしてもその詩集はいのさんのそばになくてはならない詩集なのでしょう。
    素敵な体験話をありがとうございました。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    いのさん、はじめまして。ブログを拝読したのは、初めてです。
    折に触れ読み返したり、思い出して読みたくなったりする本はありますね。
    僕にとっては、「チボー家の人々」とナルニア国シリーズが思い浮かびます。
    何かの縁だと思いますので、吉原幸子も探してみますね。

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