いのサンデー ~ 『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』 の巻 ~

・〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━〇・
     いのサンデー ~ 『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』 の巻 ~
・〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━〇・
こんにちは、いの です。
「目以外のなにかで、ものを見たことがありますか?」
こんなドキリとするコピーで紹介されているイベント『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』に参加してきました。このイベントは、1989年にドイツで哲学博士アンドレアス・ハイネッケ氏の発案によって生まれ、これまでに世界25ヶ国・約100都市で開催され、600万人以上が体験しているそうです。
日本での初開催は10年前の1999年。私自身は数年前にこのイベントのことを知ったのですがなかなかチケットが取れず、念願かなって今年ようやく初参加となりました。
参加者は6人1組のグループとなり、まず自分の体に合った白杖(はくじょう)を選ぶところからはじまります。そして、アテンドと呼ばれる視覚障害者の方にサポートされながら、完全に光を遮断した空間のなかを進み、そこでさまざまな体験をする・・・というのがこのイベントの主旨。
暗闇、と言葉にしてしまうのは簡単ですが、周囲はおろか自分の指先さえまったく見えない闇のなかに身を置くのは、はじめての体験です。案の定、闇のなかに足を踏み入れたとたん、視覚という支えを失った体をどう動かせばいいのかわからなくなってしまいました。
「歩くことってこんなに不安なことだったっけ?」
「なにかにぶつかったらどうしよう?」
思わず立ちすくんでしまいそうな参加者を誘導してくれるのが、アテンドの方の声。人の声が聞こえる、ただそれだけのことなのに、闇のなかではそれが光のように心強く感じられました。さらに慣れてくるにつれ、視覚以外の触覚、嗅覚、聴覚といった感覚が急激にその力を発揮しはじめます。
足で踏みしめる土や砂利の感触、指先で触れる水の冷たさ。遠くから聞こえる鳥のさえずりや森の匂い。目で見ていたら、気にも留めず通りすぎてしまったかもしれないそれらを1つ1つ、聞いて、嗅いで、触っていくことによって、ものの存在を新しい形でとらえることができたような気がします。まるで聞くもの、触れるものがすべて新鮮だった子どものころのように世界と向き合うことができたのが、一番の収穫でした。
なにより楽しかったのが、同じグループの参加者同士が自然と声をかけあったり、手をつないで案内しあったり、と心地よい連帯感が生まれていくこと。
いつもややこしく考えてしまいがちですが、人と接することって本当はもっとシンプルで、やさしいことなのかもしれません。そんなことを思い出させてくれる暗闇体験でした。
現在はまだ期間や場所を限定しての開催ですが、全国での開催を目指して活動中だそうです。機会があればぜひみなさんも体験してみてくださいね。
それでは、また来週!

◆会場前にあった看板

ECナビブログβ版-看板

◆各国の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」告知ポスター。

 並んでいるととてもカラフルです。

ECナビブログβ版-ポスター

◆白杖(はくじょう)。

 実際に視覚障害者の方も使うタイプの杖です。

 足元の感覚を確かめたり、段差や障害物をさぐったりするときに使います。
 地面についたときに、ちょうど自分のみぞおちの高さにくるものを選びました。

ECナビブログβ版-杖

いのサンデー ~ 『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』 の巻 ~」への10件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS:
    このような参加型の企画があることを
    初めて知りました。
    ダイアログ・イン・ザ・ダークという言葉にも
    ひきつけられます。
    試しに目をつぶって部屋の中を歩いてみましたが
    いのさんの文章の意味が少し分かったかも。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    おはようございます。
    目が見えるのはありがたいことなんですよね。
    五体満足である自分を産んでくれた母にも感謝。
    大学生の頃に糖尿病を患い、目が見えなくなった方に電車の中でお会いしたことがありました。
    その人が電車に乗る前に声掛けし、杖とは反対側の腕に自分の腕を絡ませ電車に乗ったら席が満席。
    そこで健常者の方に申し訳ないですが席を譲ってもらえますかとお願いしたら快く譲ってくださり、その方を座らせ、僕は近くで立ってました。
    その人が降りる駅とは僕の降りる駅は違う駅でしたが、その人を座らせて席を譲ってくださった方と同じ駅だったので譲ってくださった方がホームから改札口まで送ってくださった様子です。
    話は違いますが、以前スキューバダイビングの
    講習中に海の中が汚れてて3m先が見えなくなったとき、バディ(二人一組で潜る相手)を見失いましたが、担当インストラクターがタンクのそこを金属物で叩いてる音を頼りに戻ったら無事戻れました。
    目で見るんじゃなくて心でみたり感じたり聞いたりすることは重要ですよね。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    文章見て行ってみたくなりました~。
    このような参加型のイベントって良いですよね。
    全国各地で開催されないかな~(‐^▽^‐)

  4. SECRET: 0
    PASS:
    僕が小学生低学年の頃なので、今から40年以上も前、サマースクールでゲームの『暗夜行路』をしたことを思い出しました。
    暗夜行路とは、目隠しをした状態でロープを伝い目的地まで行くゲームです。
    ゴールして目隠しを外し、歩いてきたコースを見たら、ものすごく距離が短いでした。

  5. SECRET: 0
    PASS:
    真剣に参加したいと思いました。五月は無理でも六月には休みを取って参加します!  えへへ、宣言しちゃいました。

  6. SECRET: 0
    PASS:
    私の住む夜中の地方番組では、昼間の中心地を点字ブロックと白状のみでどこまでいけるか、地方のタレント1人が体験していました。視覚が失われると他の聴覚嗅覚触覚が研ぎ澄まされると感想を言っていました。
    私自身、ホームヘルパーの実習で同じような状態で室内を介助者と一緒に歩く経験をしました。精神的にも身体的にもドッと疲れたのを覚えています。
    もっとたくさんの人に広げていって欲しいイベントですね。

  7. SECRET: 0
    PASS:
    こんなイベントがあるんですね。
    いつか参加してみたい!
    忘れないように備忘録にメモしました♪

  8. SECRET: 0
    PASS:
    このイベント、よくTBSラジオで耳にしていたので前から気になっていました。
    船橋の指圧院に通院しているのですが、目の見えない方が私の「こんにちは」と言う挨拶だけで私のことを認識して暖かく迎えて下さるのに、いつも驚いていました。今回のお話でちょっと理解できたように思います。このイベントを考えた人ってきっと心が温かい方なんですね。そしてこのイベントに積極的に参加される方もやさしい方だと思います。
    そしてこのようなイベントを紹介してくださった「いの」さんにも感謝です。
    いつもコラム微笑ましく、楽しく読ませていただいておりますよ。

  9. SECRET: 0
    PASS:
    >sou さん
    慣れ親しんだ自分の部屋でも、目を閉じると別の空間に様変わりしそうですね。どこに何があるか知っているのに、とまどってしまいそう・・・。私も試してみようと思います。
    >コン介 さん
    町中で白い杖をついている方を見かける機会がありますが、いざとなるとどう声をかければよいやら悩んでいるうちにタイミングを逃してばかりです。今回イベントに参加することによって、そのためらいが少し薄まったような気がしました。
    スキューバダイビングも、会話によるコミュニケーションがない分、その他のツールによるやりとりが活発になるんでしょうね。いろんな感覚を鋭敏に使えるようになりたいものです。
    >amp さん
    今回は東京でしたが、以前は神戸や仙台で開催されたこともあったようです。全国ツアーのように順に開催されるようになればいいですよね♪
    >ゲンゴロウ さん
    見えない状態だと短い距離も長く感じてしまうんですね。暗闇のなかだと時の流れが変わるような気がします。イベントの際に伺ったんですが、視覚障害者の方の腕時計はガラス蓋を開けて針の位置を指で確認できる仕組みになっているんだとか。
    >きさらぎ さん
    第2期の情報はまだ出ていませんが、今度は7月上旬から長期開催の予定だそうです。セットが今回とは違うものになるらしいので、私もまた参加してみたいと思ってます。暗闇のなかでお会いするかもしれませんねv

  10. SECRET: 0
    PASS:
    >えこんぼ さん
    毎日見えていることが当たり前だと思って生活していますが、それゆえに「視覚」というものに頼っている部分があまりにも多いことを実感したイベントでした。
    相手に話しかける声や、触れる手の動作などをほんの少しでも優しくするだけで、安心感を与えたり、信頼関係を築く第一歩になるのかもしれません。
    まだまだ少ないですが、学校の授業や会社の研修に取り入れているところもあるんだとか。今後広まっていくのが楽しみです。
    >リン さん
    心に留めていただけて嬉しいです!このイベントに参加すると、その体験をだれかに話したくなるらしく、クチコミで広がっているようです。機会があったらぜひ暗闇を訪れてみてくださいね。
    >NORANORA さん
    いつも読んでくださってありがとうございます。船橋という馴染みのある地名が出てきたのでドキリとしました。
    高校のころはよく学校帰りに遊んでいたもので・・・(^^)。
    イベントに参加してから、家族や友人たちの声を前よりもじっくりと聞いています。すると「あ、こんな声してたんだ!」という再発見の連続。声の記憶というのも大事にしたい、そう思う今日このごろです。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中